2013/06/23

ゲームで学ぶ、過去へタイムトラベルする方法


「タイムトラベルの哲学」(青山拓央・著)   を読んでいて、
過去へタイムトラベルする方法 について考えたくなりました。

「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」
とジュール・ヴェルヌも言うていますので

「人間が想像できる」 ことをゴールにします。
アホかつ長い記事なので、暇な人だけ読んでください。
創作の足しになるといいな。

まずは未来から始めます。





■1. 未来へ行く  ********

まずは未来へ行く方法。
下記のアイデアを使いましょう。

 ・ 人間を冷凍睡眠状態にし、100年後に起こす
    →人間は100年後の未来に行ける。

寝て起きたら100年後の世界になっているんですね。

これで未来方向のタイムトラベルは完成です。



■2.過去へ行く  ********

▲ 2-1 物理学の方法

では、過去へ行く方法を考えます。
ここで通常なら、急に現代物理数学やらの話になってしまいます。

 (参考) タイムトラベル11の理論

理論がいっぱいあります。
難しいのでよくわかりません。

唯一わかったのは、過去方向へのタイムトラベルの方が難しいということ。 
そうなのでしょう。



▲ 2-2 RPGの方法

とはいえ、過去へのタイムトラベルについて
アホでも考えたいのです。

ひらきなおって、いったんゲームの話をします。
ロールプレイングゲーム(RPG)について。

一般的なRPGにおいて、過去へ行くことは可能か?
を考えてみます。


 - 2-2-1  RPGとタイムトラベル
 
 RPGでよくあるのが、

  「あのアイテムを取り逃したからもう一回ダンジョンやり直そう」
  「あのイベント面白かったからもう一回見よう」

 というケース。
 
 これはまさに、過去へのタイムトラベルですね。
 過去へ戻ってもう一度ボスに挑戦するとか、
 過去へ戻って死んだあの人と再会するとか。 
 
 なんだか、ゲームだとあたりまえに実現できそうな感じがします。

 ゲームにおいて、過去へのタイムトラベルを実現するには、
 下記2つがあればOKです。

    1. そのゲームにセーブ/ロード機能が備わっていること。
    2. 戻りたい地点で、事前にセーブができること。



 - 2-2-2 タイムトラベル例

 「ファイナルファンタジー」は、上記の1,2が当てはまるので、
 タイムトラベルが成立します。

   1.セーブ/ロード機能が備わっている。
   2.任意のタイミングでセーブができる(※少し場所限定あり)

 事前にセーブポイントでセーブしておけば、どれだけ未来に進んでいたとしても、
 ロードで戻りたい時間まで戻ることができます。
 
 いつでもゴールドソーサーで遊んだり、
 バレットとデートしたりできます。(FF7)

 つまりRPGにおいては、「タイムトラベルシステム」などを特別に用意しなくても
 通常のセーブ/ロード機能でタイムトラベルが実現できるということです。



 - 2-2-3 現実に当てはめると

 この「セーブ/ロード」の考え方は筋が良さそうです。
 あらかじめセーブしておいて、それを手がかりに過去へタイムトラベルする。
 この方式って使えるかもしれませんね。
 
 これを現実に当てはめると、
 たとえば、織田信長がいた時代で「セーブ」しておけば
 ずっと未来でも、織田信長の世界を「ロード」できる、というイメージです。

 とはいえ、僕らの世界はファイナルファンタジーではないため、
 セーブ/ロードって具体的に何なん? となりますね。



▲2-3 過去へ行くまとめ

とりあえずここまでで、
セーブ/ロード機能があれば、過去へタイムトラベルできるかも
という道筋を立てました。
 
次からは、
現実においてセーブ/ロードを実現する方法を考えましょう。
 
 

■3. セーブ・ロードによるタイムトラベル ***********

世界をセーブ・ロードする方法。
なにが考えられるでしょうか。

なかなかゲームのようには行かないでしょうが、
なるべくシンプルに考えてみます。



▲3.1 世界を寝かせる

冒頭に、冷凍睡眠の話が出てきたので、
せっかくだからこれを使いましょう。

地球まるごと冷凍睡眠させる というアイデアはどうでしょう。
地球のセーブ/ロード

ひとりの人間を冷凍睡眠すると、未来に行ける、というのは前述しました。
世界を冷凍睡眠するとなにが起きるのでしょうか?



▲3.2 地球の冷凍睡眠とタイムトラベル

下記の状況を想像してみましょう。

 ・ 地球を冷凍睡眠状態にし、100年後に起こす。

これによってタイムトラベルが成立するのでしょうか?
確認してみます。

 例:
  2013/06/23に、地球と人類が冷凍睡眠にはいった。
  一部の人間だけが、月へ退避して、月面で新たな世界を築いていくことになった。

  100年後の2113/06/23に、地球と人類の冷凍睡眠が解かれた。
  月面人は、解凍したての地球に降り立った――

  すると、
  ・このとき月面人は、100年前の世界に降り立つことになる。
  ・地球人にとっては、100年後の世界から突然未来人がやってきたことになる。


確かに過去方向のタイムトラベルが成立しています。
セーブ/ロードがうまく働きました。


▲3.3 まとめ

上記をまとめると、

 ① セーブ/ロードによってタイムトラベルできる。
 ② セーブ/ロード機能として、冷凍睡眠をもちいる。
 ③ 人間を冷凍 → 未来へタイムトラベル
    世界を冷凍 → 過去へタイムトラベル  New!

こうなります。
冷凍対象が変わると、タイムトラベル方向が変わるんですね。
面白いです。



■4 タイムトラベル拡張  *********

▲4.1 セーブ方式の問題点

 では、この荒唐無稽なタイムトラベルの
 切実な課題を見てみましょう。
 冷凍方法とかはもちろん不問です。

 課題: 
  ・地球をセーブしたあと、地球に住めない。
  ・セーブは1パターンのみ。
   → 1つの日時にしかタイムトラベルできない
 
 このままだと、冷凍した1回きりのタイミングに囚われすぎていますね。

 これを解決するにはもはや常識では立ち行かないので
 無茶な発想力で対応したいところです。


▲4.2 地球のバックアップを取る

 では、任意のタイミングへのタイムトラベルを実現するには
 どうすればよいか。

 先程と同様にゲームの手助けを借りましょう。

 RPGの世界で、任意のタイミングへのタイムトラベルを実現するには。
 セーブスロットを多数用意して、
 別データに何回もセーブしておけばOKですね。

 ひとつ進むことに必ずセーブを残す。

 *

 これを応用すると、
 任意時間へのタイムトラベルを実現するには

 ・2013/06/23から、1日1個ずつ、
  地球のクローンを作って冷凍睡眠させておく

 というアイデアで達成できそうです。

 メインの地球は動かし続けておいて、 
 毎日1個ずつ地球のコピーを冷凍保管しておきます。
 イメージで言うと、

    20130623_地球.zip
    20130624_地球.zip
    20130625_地球.zip
       ……
   21130623_地球.zip
 

 こうやってバックアップを残しておこう。

 これにより、2013/06/23以降であれば、
 その時の地球にアクセスすることで、
 任意の日付へタイムトラベルすることが可能になります。
 
 もっと正確にタイミングを指定したければ、
 地球のクローンタイミングを時間ごと、分ごと、秒ごとで取得すればOKです。



▲4.3 無理

 無理です。
 大量のクローンが厳しいです。

 *

 でも、なんとなく過去へのタイムトラベルの全貌が想像できました。

 何かしら世界のバックアップをとっておけば、
 過去へのタイムトラベルが実現できるのです。

 アホとしては見事なゴールです。

 なんの学術用語も出てこなかったし。
 因果律も破れていない。
 タイムパラドックスもない。
 凍った地球がいっぱいできちゃうけど。



▲4.4 バックアップによる過去へのアクセス 

 凍った地球とかバックアップとか。
 なにやら無茶で面白い結果がでました。

 バックアップという考え方ですが、
 人間は本来的に、
 バックアップ=セーブを残すことで未来や過去へアクセスする生き物だと思います。

 文書記録や映像記録によって、過去の僕らは未来へパスを回し、
 未来の僕らは過去の輪郭を知ることができます。

 考えてみれば、今までの「歴史」の成立と同じでした。

 *

 たとえば下記も、バックアップやログを使った簡単なタイムトラベルといえます。

  ・PCを定期的にバックアップし、トラブル時に過去の状態へデータを復元する。
 ・文章を書き間違えた時に、Undoキーで過去の状態に戻す。

 このようなタイムトラベルはとてもありがちなものです。
 地球規模だと突飛な感じがしますけどね。



▲4.5 まとめ

 ・地球の冷凍セーブ/ロードによってタイムトラベルができる。
 
 ・さらに、定期的に地球のバックアップを残しておくことで、
 任意時間にタイムトラベルできる。



■5.おわりに  *******

以上、 
RPGのシステムをヒントに、
過去へのタイムトラベルを考えてきました。

最後に、多少なりとも議論を現実に寄せてみようと思います。



人類がタイムトラベルを得るためには
上記のような、バックアップ方式が常道だろうと考えます。

もちろん、いきなり地球の冷凍クローンとかいわず。
その時代の情報をできるだけ未来に向かって残す」ということです。
ごくあたりまえの試みを続ければいい。

文書でもデータでもとりあえず世界のあれこれをたくさんセーブしておく。
ビッグデータをかき集めるところから始まるのでしょう。

はじめは単なる記録の集まりでも
徐々にデータ数が増えることでバックアップの解像度は増していきます。

得られる情報のかたちが変わっていき、
遺伝情報や3Dスキャンデータや五感の数値化など、精細で多様な情報を
新しいフォーマットの歴史書として残すことが出来れば、
未来人が「ロード」できるようになるかもしれません。

単なる記録でなく、経験として享受できるような。
冷凍睡眠地球のような。


まとめ。

・過去へのタイムトラベルは、精細なバックアップの参照、という形で
いつか擬似的に達成できるだろう。

・現代の僕らの使命は、未来の人類が僕らの世界に「タイムトラベル」できるように、
多くのセーブデータを残しておくことだ。

以上が結論です。

結局、純粋なタイムトラベルではないし、
現代人がタイムトラベルするのは難しいね、ということなのですが。

未来へ良いパスを回したいですね。



*******

まじめに読んでくださった奇特な方、
ありがとうございました。


■6. 参考文献

「タイムトラベルの哲学」 青山拓央・著
タイムトラベル11の理論 (ニコニコ大百科)

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