2021/03/25

ARuFa「さんさーら!」(作編曲 田中秀和、作詞ピノキオピー)を聴いてみよう

ARuFaさんの新曲「さんさーら!」聴きました。
めっちゃいい曲ですね! 好き。

■ARuFaオリジナルソング「さんさーら!」

作編曲:田中秀和 (MONACA) 作詞:ピノキオピー 歌唱:ARuFa

オモコロのARuFaさん記事
【動画あり】一般人だけど20代最後なのでプロにオリ曲を作ってもらった
 https://omocoro.jp/bros/kiji/278460/
突然オモコロに田中秀和さんが出てきて、思わず声が出ました……。



公開されたばかりですが、ほんのちょっとだけ聴きとりしてみます。
いつも以上に難しい作曲なので、間違いもいっぱいあるかと思います。
話半分でどうぞ。
(21/3/29 23:30 ちょっと追記しました)



key: Ab

[Aパート] 0:00-

 あ        た ま              か                ら      だ           て あし と
| I              Iadd9/III   bIIIdim7   |   IIm7        IVm6   IV6sus4  |

 お して ま た             あし        あ  とが ふ え    た
| Iadd9/III    VI7(#9)  bIII7(#9,13)  |   IIm7      V7(b9)  bII7      |


 あ   さ だ    あ      さ  だ    ビックリ
| I              Iadd9/III   bIIIdim7     |   IIm7        IVm6    IV6sus4  |

マークの  しゃば      うぶ ご  えあげた  さん        さー   ら!
| Iadd9/III    VI7(#9)  bIII7(#9,13)   |   IIm7     V7(b9)  bII7(b9)  |


頭から可愛くてワクワクします。ハモリ凝ってますねー。
よく聞くとオクターブ下のユニゾンも入ってステキ。

ベースが裏にジャンプすることで、
トライトーンの動きと半音の動きを作っています。
テンションのつけ方が細かすぎて、やっぱり丁寧に聴きとるのは
難しいですね……。雰囲気だけわかればいいかなと思います。

(追記)
初見だと、青字の裏コードbIIIだけ全然聴取できなかったんですが、
bIII7(#9,13)

ミb  レb    ソ    ド     ファ#
1     b7     3     13     #9

という感じで、
トライトーン2個含む四度堆積でボイシングされているようですね。
経過的にこんな難しいコードが……。凄い。




[つなぎ] 0:15-

bIV7(omit5)   V7(omit5)    #IV7(omit5)     IV7(omit5)

bVII7(omit3)   VIIdim7

セブンスの平行移動で不安定なパート。耳がぐるぐるします。
同じく田中秀和さん作曲の、
「恋?で愛?で暴君です!」のイントロと同じような
響きがしますよね。トライトーンの連続でドキドキします。

参考記事:休日に聴くポップ・ミュージック8
 (恋?で愛?で暴君です! の紹介)


(追記)
omit5にしてある理由ですが、
・トライトーンの響きを生かすために、安定感のある5thを抜く。
・セブンスコードをomit5すると、残った構成音がホールトーンスケールに乗る。
といった利点がありそうに思いました。
より鋭い、より浮世離れした雰囲気になりますね。


[Bパート] 0:18-

   みしら ぬ    ひ      と    のコ メ  ン ト
| I              Iadd9/III   bIIIdim7      |   IIm7        IVm        bVII/IV |

 で    す べ て   が は じ  まった り
| Iadd9/III    bIII7(13)  bIII7(#9,13)       |   IIm7        bVIaug/V   bII7(b9) |


   まちじゅう   み ん  な      ス  ルー  して     
| I              Iadd9/III   bIIIdim7      |   IIm7        IVm        bVII/IV  |

 た   ゴ ミ  を つっ          ついて みた り
| Iadd9/III   VI7(#9)    bIII7(#9,13)     |   IIm7      bVIaug/V   bII7(b9) |


ARuFaさんの低域の歌唱って珍しいですよね。
かっこいい。

コードワークは、Aパートを概ね踏襲しています。
赤字の所は、新しい形のaugのオンコード(に聞こえます)

「V7(b9, 11 ,13) omit 3,5,7」 とか
「IVm△7/V  の ファ省略」といったイメージかなと思います。

ってことは、augのオンコードって
下記4通り すべて使えるんですね…。知らなかったです。

① Vaug / V      = 普通のVaug
② bVIaug / V   =  V7(b9,11,13) omit 3,5,7
③ VIaug / V     =  V7(9,#11)  
④ bVIIaug / V  = Vm△7

augの対称性から、上記4パターンで全通りになります。

一般的に「分数aug」と呼ばれているのが③ですね。
今回出てきた②は、ほとんどドミナントの機能が消えていますが、
b9thの切ない響きを含められるのが独特ですね。素敵です。

****


[Cパート] 0:32-

  こんとんのせかい  と き に   お わ   って いて
| IIIm7          IIIm△7      |   VIaug7(b9)   VI7(b9)   VIaug7(b9)      |
                                        [VI HMP5b]

  なんじゅうねんもその おわりと     ダンスして
| IIm7            IIm△7       |   V7                Vaug/IV                      |     
                                        [V HMP5b]

  いきて  いく おも  い でが              モ
IIIm7          IIIm△7      |   VI7                              |

ザイクだらけに   なってもー         ( てってってて) やっべーじゃん
| IIm7                  |   V7sus4(b9)    Vaug                    |     
                                                     [ホールトーンスケール]


m7-> m△7に進むクリシェの多用が、田中さんっぽくてオシャレ。
先ほどのタイプ④ですね。m△7のなかにaugの響きが隠れています。

近作だと、Mia REGINA「Cidre」でも使われている文法ですね。
ギターのくねくねした上行がカッコイイ。

「ダンスしてー」の所はタイプ④の響き。

赤字部分のメロディラインは、田中秀和さんっぽい
HMP5B = ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウスケール
が使われてます。

と    きに    お   わっ  てい  て
レ   ド#     シb   ラ    ソ     ファ

 お  わり         ダン  スし  て
ド    シ      ラb    ソ     ファ    ソ   

ここの青字→赤字(b9th)の所の変な段差(増音程)が、切なげで素敵です。
PUNCH☆MIND☆HAPPINESS のBメロで使われてた文法と一緒ですね。
ピノキオピーさんのこのパートの歌詞も、
少し切ない雰囲気があって、曲調にピッタリはまってます。
参考記事:田中秀和「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」の楽しいスケールワーク


サビ前のキメのところは、Vaug(タイプ①)に載せて
ホールトーンスケールのシンセがキラキラふわふわしてますね。
多幸感あふれています。

*


[Dパート(サビ)] 0:47-

     すうねんごも アイディア が  じごく
| IV△7     V/IV        |   IIIm7    VIm7           | 

のそこで  はな  さい たら     アンビシャス!
| IIm7     IIm7/V   |    I         Iaug/#IV       |


   へんなゆめ み てた ら    へん
| IV△7    V/IV      |   IIIm7    VI7              | 

な      JPG     も ふえ た       あ そうだ!
| IIm7    IIm7/V   |    I      IIm7    I/III      |



   あしたも   あんなこと  してみ
| IV△7   VIIaug7  |   IIIm7    VIm7           |

 たい いいたい やって たい   と
| VIIm7b5   III7   |    VIm7    VI7/#I         |



だち   100にん できる?  できない  にち

|  #IVm7b5   VII7  |    bVII△7    VI7(#9)      |

じょう をてら  す
 IIm7   I/III   IV△7  #IVm7b5   |  

 プラ  ス   な  に    か
IV/V  bVIdim  bVII  V/VII |  I


めっちゃ良いサビ……。
一気に歌メロの音高が上がって気持ちいいです。
ARuFaさんが田中秀和さんのハモリメロを歌っているのって、
不思議な感動。

要所要所のメロディの半音の動きが素晴らしいですね。
ピンク字の「ミb」(実音B) が多用されていて、めちゃ可愛い。

コードは4536で王道を行きつつ、
途中の細かいコードの変化が気持ちいいですね。

アンビシャス!の手前はIaug/#IV (タイプ③)ですかね。田中さんの代名詞。

サビ後半は 「VII」(赤字部分) に置き換わることで、
切なさがちょっぴり増しています。

ラストは田中秀和さんがよく使われる
IImから順次進行で、Iまで上行するコードワークですね。階段を上る感じ。
田中さんの文法がてんこ盛りで、聴いててワクワクするサウンド。



以上、1コーラス分を聴いてみました。

振り返ってみると、
augコードが、①②③④の全タイプ使われているんですね。
augの響きを余すところなく使って、
ARuFaさんの世界を変てこに、可愛く彩っています。

いい曲!

***

以下オマケです。

■恐山と美兎がARuFaにシャニマスをやらせる放送(28:12~あたり)

もともと、ARuFaさんのお好きなアイマス関連楽曲が

・空と風と恋のワルツ 作曲:トリ音
・Pon De Beach 作曲:井上拓
・M@gic    作曲:田中秀和
・もりのくにから 作曲:帆足圭吾
・SUN♡FLOWER  作曲:山崎真吾
・秘密のトワレ 作曲:ササキトモコ
・Here we go!! (REM@STER-A) 作曲:Jesahm

とのことなので、
今回、田中秀和さんにお声がけした理由がわかる気がしますね。
(僕も愛聴している曲ばかりなので)

ARuFaさんご自身も、エッジの効いたカッコイイ曲書かれるし、
歌唱力もありすぎるので、音楽方向でさらに躍進される気がします。
めちゃワクワクしますね。

インターネットに浸かっておられる皆さんと同じく
僕もARuFaさんファンで、
匿名ラジオも全話聴いてて、台湾旅行DVDも持ってるパターンです。
みんなのアイドル。



過去記事です。

田中秀和さんのオーグメントコードを聴いてみよう
aug(オーグメント、オーギュメント)の響きの紹介です。

田中秀和さんのスケールを聴いてみよう
田中さんの魅力的なスケールワークについて。

田中秀和「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」の楽しいスケールワーク
1曲の中でのスケールの使い分けについて。

上田麗奈「ワタシ*ドリ」(作曲:田中秀和) を聴いてみよう ※8bitカバー音源つき
ワタシ*ドリの聴き取り記事です。


(追記)
名取さなさんへの提供曲「アマカミサマ」も素晴らしくて素晴らしくて……。
震えます。

2 件のコメント:

  1. こちらのブログ、本当に良質すぎる内容と、いい意味でマニアックすぎる内容で、あまりに面白く勉強になり、最高です。。
    そして、分析力がすさまじいです。。こんな方に音楽レッスンならいたいなあと思ってしまいます。。

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  2. こんにちはまさとさん。お読みいただきありがとうございます。
    面白く読んでいただけて何よりです。

    お褒め頂いて光栄ですが、正確さ度外視で好きなものをいっぱい褒めよう!という感じのブログなので、音楽レッスンというにはほど遠いですね……。
    今後ものんびり更新したいと思います。

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