2020/12/06

幕須介人(メイソン=ハウス) のステキなポップスを聴いてみよう【ミシェルメルモ】

こんにちは。

今日は、バンド「ミシェルメルモ」のコンポーザーでもある
幕須介人さん(別名義:メイソン=ハウスさん)が手がけた
素晴らしいポップスを聴いてみます。


大沢健太郎さん(北園みなみさん)、Lamp、キリンジ、
Tweedees、MONACAがお好きな人におすすめします。

聴いていて好きがとまらないので、記事にしてみました。
洗練されたキュートな楽曲ばかりなので、ぜひ聴いてみてください。
めっちゃステキです。

*

7曲紹介します。

(201218 追記) 
新曲の「眠る魚」がめっちゃよかったです! 追記しました。

■1. ミシェルメルモ - 1ユーロ返して
(作詞:篠原とまと、作曲:メイソン=ハウス)


大好き! 展開いっぱいで楽しいです。カワイイ曲。
ミシェルメルモ、大好きになりました。

0:50- このサビの構想、あたまおかしくて可愛くて、最高です。
サビ冒頭0:50-はドレミファソラシドと音階の上行がシンプルできれい。
同時に、対旋律が下行しているのもステキです。

サビ中盤0:59-は耳がぐるぐるするコードワークですが、

A - [Eb9] - D9#11[Ab9]  - Gadd9  - [Db9] - C9#11 - [F#9]

という感じで、4度上行の動き[裏コード]が挟まって作られています。
これにより、メロディー、ベースが減5度(トライトーン)や半音で動くので、
めちゃ鋭い響きがしますね。楽しい。

// このブログの過去記事をお読みの方だと
//「恋?で愛?で暴君です!」(作曲:田中秀和)と一緒の響きがする!と
// 気づかれたかもしれません。 トライトーンと半音で出来た旋律ですね。
// 参考記事:休日に聴くポップ・ミュージック8
// こういう類似に気づくと楽しいですよね。

サビ1:09-で2回目に出てくるドレミファソラシドは、
ベースが入ったことで反行が際立ち、めちゃ格好いいです。

サビ終盤1:27-の3回目のドレミファソラシドは
「あなたは知らないのー」ピアノだけで切なげでステキ。
凝った構成ですね。

曲の最後3:27-にも、ドレミファソラシドにリハーモナイズが施されて
「Hello, goodbye 3時のバスにー」 が優しく響きます。綺麗ですね。

以下、続きます。

ちょっと余談です。

幕須介人さんのお名前を初めて見たのは、
アーティスト・杏沙子さんの1stアルバム「フェルマータ」でした。
「着ぐるみ」「ユニセックス」の作曲に、常人でないポップセンスを
感じたのですが、匿名作家さんのため活動の全貌がわからず。

最近になって幕須介人さんの公式webサイトができ、提供曲の詳細や、
「ミシェルメルモ」というご自身のバンド活動を
2020年9月に再始動されたことを知りました。嬉しいー。
(バンドの時の名義は「メイソン=ハウス」さん)
ミシェルメルモ、作詞作曲はもちろんのこと、
歌も演奏技術も素晴らしく、めちゃめちゃ応援したいです。

そのほか
アーティストKacoさんの近作がすべて幕須さんの編曲だと知り
いまさら驚愕しています。どおりで……。
ベイブも、ミーナの水槽も、おばけのはなしも、書きかけのファンタジーも、
好きな曲は全部幕須さんのお仕事だったのですね。


■2. ミシェルメルモ - 未来マリーの憂鬱
(作詞:光物三昧、作曲:メイソン=ハウス)



めっちゃいい曲で惚れ惚れしてしまいます。ノリノリな曲。
椎名林檎さんお好きな方にもおすすめです。

どの曲聴いても作曲技術・編曲技術の底が見えないです。
キーボード演奏されているのがメイソンさん(幕須さん)ですね!

0:36- 男性ボーカルのユニゾン、ツボです。
0:51- サビが最高ですねー。ブラジルなリズムで一気に盛り上がります。
サビの終わり、1:13- のコードの変化(VI△)から、
ボーカルの最高音を経て見事に駆け抜けます。惚れ惚れ。
「○○」とか「××」という歌詞のキメも曲調にピッタリですね。

3:02- 最後にトロンボーンソロ! かっこいい。
3:33- 立ち上がって拍手したくなる、見事なアウトロですね。

こんなに自分の好きな要素が全部盛りな楽曲には
めったに出会えないです。
トヨシマモモエさんのボーカルも好き。


■3. ミシェルメルモ - Lady bug
作詞:かに本パンダ 作曲:メイソン=ハウス



大人っぽいアレンジに、リズムの変化が素晴らしい楽曲。
なんでこんなに和音組むの上手いのでしょう。。惚れ惚れ。
冨田ラボお好きな人にもおすすめです。

1:03- 大胆に部分転調を織り込んだサビ。
調性があいまいで複雑のため、あきらめて下記のようにとりました。
(僕の耳では無理でした)

1:03-
〽かたくむ
す  んでし ばりつ け    て も    
 E△9          D#m7  G#aug7     C#m7      
[E:  I△9        VIIm7    III7        VIm7]  

   ひもとい   て  のこ
     C△9    F69 
[C:  I△7       IV69  ] 

   るのは           ひもだけ だ
    F#m7b5    B7       D/E      A6      Aaug 
[G:  #VIIm7b5   III7       V/VI     II6      IIaug ]

     たんじゅ    ん には  させない   
     C/D          Caug/D        A/B     G/A  
[C: I/II          Iaug/II       VI/VII   V/VI ]

ここからさらに難しいので、ここまでです……。
赤字部分にaugオンコードをつかったクリシェがありますが、
Caug/Dにメロディ(G)の音を含めて
Ab aug△7 / D という強烈な響きとなっています。
aug音程の広がりに、AbとGのぶつかりが格好いいですねー。
(Fメロディックマイナースケール上で成立しています)

サビ後のアルトサックス、トロンボーンソロを経て、
16ビートのリズムが
2:01- シャッフルビートへ変化します。心が躍りますね。
2:39- 2拍3連符のフレーズを見事に使って、
シャッフルから6/8拍子へスムーズに移行します。めちゃ美しい!
ポリリズムな感じもとても好き。

3:02- ブレイクを挟んで、冒頭の16ビートが回帰します。
エンディングまで綺麗。


(201218 「眠る魚」を追記しました)
■4. ミシェルメルモ - 眠る魚
作詞:かに本パンダ 作曲:メイソン=ハウス


わーめっちゃいい! 感動しました。
なんでこんなポップスかけるんでしょう。
冒頭から、2拍3連のポリリズムのフレーズがステキ。
一気に引き込まれました。

全編通してマイナー調を基調としつつ、
要所要所のメジャー転調が輝いて聞こえますね。
明暗を行き来する感じが、ジャケット絵とも合っててカッコイイです。

これだけコードワークを振り回しても、
力強いサビメロを載せられるのがメイソン=ハウスさんの魅力ですね。
改めて惚れ惚れします。
School Food Punishmentとかお好きな方にも刺さりそうな気がしました。

3:37- アウトロで、冒頭のフレーズが回帰するのも素敵です。


ミシェルメルモ、めちゃめちゃ良いですね!
これから広く広く聴かれていくことと思います。
今後の活躍がとてもとても楽しみなバンドです。


**

ここからは、幕須介人さんの楽曲提供・アレンジのお仕事もご紹介します。
僕が特に大好きなもの。

サブスクをやっておられる方向けに
幕須介人さんの作品プレイリストを作っていますので、
ぜひ聴きながら読んでみてください。
(作曲/編曲の担当はまちまちですので、調べてみてください)
(いつか公式のプレイリストが出来たら消します)

Spotifyリンク



Apple Musicリンク


■5. 杏沙子 - 変身
(作詞作曲:杏沙子、編曲:幕須介人)

この曲キュートで大好きです。作詞作曲は杏沙子さん。
杏沙子さんとのペアで素晴らしい曲を沢山生み出されていますね。
ヒーロー・ヒロインへの憧憬がつまった歌詞も素敵です。

MONACA神前暁さんとか田中秀和さんを思わせるような
巧みで楽しいアレンジに圧倒されます。
曲のテーマ通り、0:54-サビでアレンジが「変身」するところは
小粋で楽しいですよね。急にスカになります。

ぜひ聴いていただきたいのが、
2番(1:30-)以降のアレンジ。素晴らしくて素晴らしくて、、、
何度も何度も聴きました。
ポップスアレンジの最良のお手本だと思います。

1:30- 「変身」を想起させるホールトーンから、
1:45- や2:00-の美しいコーラス。
特に2:53- からの曲想が、あまりにも見事で脱帽しました。


■6. 杏沙子 - 交点

(作詞作曲編曲:幕須介人)
幕須介人さんの作詞作曲編曲。
バンドでは先に紹介したような複雑かわいい曲も書かれつつ、
提供曲ではJPOPの神髄がギュッと詰まったような作品を書かれます。
この曲は、「JPOPといえばストリングス!」を体現した楽曲。

この曲もとにかくアレンジが素晴らしくて素晴らしくて。
Aメロの ベース・ギターのオクターブもおしゃれだし、
挿入されるストリングスはどのフレーズもきれい。

1:43- サビで高らかに杏沙子さんが歌い上げ、
I - VIIm7 -III7 - VIm にストリングスを重ねていくのは
これぞポップス!という感じで聴いてて気持ちいいです。

MONACAサウンドのような王道感にグッときます。
王道をおさえつつも、コードのちょっとした選択の妙もあって、
素晴らしい手腕だと思います。


■7. 電影と少年CQ - Bubble Ballet

ガラッと曲調が変わります。
男女ボーカルに、アコーディオンに、揺れるピッチに、
ドラムの打ち込み感に、ノイズ交じりのローファイな音作り。
きっとこの曲の雰囲気が大好き!な方がおられると思うので、
ぜひ聴いてみてください。
壊れてしまいそうな世界観がステキです。

1:25- サビは、男女ユニゾンも相まって、
Lampを思わせるような夢見心地なサウンドですね。うっとりします。
繰り返す転調に心が運ばれていきます。

2:14- レトロ!

3:54- このピッチの揺らぎはどこか懐かしくてほろりと来ます。
凄いお仕事。

幕須介人さんって、作曲編曲おばけですよね。。底が知れません。
今後もずっと応援してまいりたいと思います。


***

参考URL

・幕須介人 Official Website
 https://www.maxkuyt.com/

・MichelMelmo(ミシェルメルモ)
 https://www.michelmelmo.com/

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