2014/07/27

ゲーム音楽史と、『複雑系』(M.ワールドロップ)について

先の記事では、「ゲーム音楽史」(著:岩崎祐之助)に登場した
Youtube音源リストなどつくりました
http://kaho-ss.blogspot.jp/2014/07/youtube.html

その続きです。
ゲーム音楽の入門書は、どういう形で書かれるべきなのだろう
というところを考えてみます。

ゲーム音楽そのものとはあまり関係のない内容です。
もしご意見あれば頂きたいです。




■1
ゲーム音楽の入門書は、どういう形で書かれるべきか。

今回挙がった懸念点をすべて踏まえるとすれば
辞書のような正確で網羅的な大書が書かれるしかありません。

特に、先のブログを拝読する限りにおいても、
http://d.hatena.ne.jp/hally/20140727
同時代を生きたものしか知り得ない、ノウハウ特許的な事項も多そうで、
これをまとめるのは大変価値あることと思いました。
ほうっておくと次の世代を待たずして散逸するかもしれませんので。

ただし大書を選ぶということは、いっそう間口を狭くすることになるので、
「ゲーム音楽史」が成し遂げた万人向けの姿勢にのっとり、
大書とは別に、アクセスしやすいゲーム音楽の入門書はどう書かれるべきか?
という方向に論を進めたいと思います。

本書のようなコンパクトさをもち、かつ正確、不足なし、面白いと認められる情報を
詰め込んだ書籍は書けるのでしょうか。
難題ですが考えてみます。


■2
さしあたり、味方の納得を得るため
下記二点をクリアする必要がありそうです。

・事実誤認:入念な取材で突破するしかありません。
たとえば「ゲーム音楽史」では、参考文献および監修がついていなかったため
次書ではカバーしたいところです。
とくに、ノウハウのような不文律についても留意せねばなりません。

・記載の抜け漏れ:ページ数が限られるとすれば、網羅性は犠牲にするしかありません。
網羅性は大書に任せてしまって、
分野を絞って密度を上げることが得策かと思います。


■3
まずは分野の選定でどうにかなるか考えてみます。
選定方法がいくつもありそうですが、

 ・コンシューマ・アーケード・PC 「音の出る箱・家庭用ゲーム機の音楽史」
 ・国別  「日本のゲームはピコピコ音とともに」
 ・年代別 「ゼロ年代のゲーム音楽入門」
 ・メーカー 「だいすきコナミサウンド」「ザ・ニチブツサウンズ」
 ・ジャンル 「音ゲー興亡史」
 ・作曲者 「このゲーム作曲家を聴け 20」
 ・音源 「波形メモリの使いかた全集」
 ・ビジネス書 「ゲーム音楽の驚くべき発想力」
 ・シリーズ 「シリーズ物とともに歩んだゲーム音楽史」
 ・音楽理論 「ゲーム音楽作曲法」

いろいろ切り口はありそうです。
ただし、これって逆に間口を狭めているのではないか? と思われますね…。

このなかで書くとすれば、
本書の領域を狭めた「日本家庭用ゲーム音楽」といったくくりにするか、

または、本書の副題「スーパーマリオとドラクエを始点とする」をいじって、
実際の記載内容に則して「スーパーマリオとドラクエの成長とともに歩んだ」として
シリーズ物の変遷を追う書き方もありかもしれません。

さて、本書「ゲーム音楽史」では、作曲家インタビューに後半の紙面を割いています。
確かに、こうやって作曲家の言葉で全編進行する方法もあります。

そんな本書の姿勢を踏襲して、
下記の書き方ができるのではと思いつきました。


■4.
僕が提案したいのは、さいきん読んだ
・『複雑系』(M.ワールドロップ)
という書籍で用いられた記述の方法がピッタリと合うのでは? ということです。

どんな書き方か簡単に言うと、プロジェクトX方式です。

この本は、数学の一分野である複雑系(ライフゲームなど)をテーマにした入門書です。
20世紀後半に、
アメリカ・サンタフェ研究所に複雑系を志す同士が集い、
彼らの研究が数学から生物学、経済学に至るあらゆる分野にひろがっていく過程を、
数人のキーマンを主役としたストーリー形式(=小説)で語っています。

大きな困難を、ジョン・ホランドはこのように突破したのであった――
といった、個人個人の小さな歴史を積み立てて、
一つの複雑系という編物を浮かび上がらせる形式です。


■5
この本を読んで感じるのは、複雑系の仕組みがどうこう以前に、
登場人物のもつ熱量が、暑苦しいくらいに伝わるということです。

複雑系は未踏な分野であるがゆえに、時には苦汁をなめながら、
抑えきれない好奇心にうごかされて困難な課題にたちむかう。
そういった登場人物の(そして著者の)開拓者精神を強く感じられる内容です。

もちろん、単純な人間ドラマだけということはなく、
本文中では複雑系研究の具体的な事例(遺伝的アルゴリズムの成立など)に触れ、
その学問的意義や、他分野への応用事例など
読み手の純粋な知的好奇心も刺激する記載がなされています。

というところで僕が思ったのは
ゲーム音楽史にも、そういったが数多くあったのではないかということです。
ハード制約への戦い、まだ見ぬ音への渇望など、
複雑系が辿った状況と、類似点が多いと感じたのです。

では、
『複雑系』の方法でゲーム音楽入門書を作るのはどうだろう?
ゲーム音楽黎明期を、作曲家・エンジニアを中心にしたストーリーとしてまとめる。
彼らの独白を合間に挟みながら。


■6
このようなプロジェクトX的な記述方法を推す理由としては
以下の3点があります。

1. ストーリーって面白い 
 大事なのは、間口をどう大きくするかに尽きます。
 ゲーム音楽について最も面白く語ることができるのは、
もちろんゲーム音楽を七転八倒しながら作り上げてきた当事者です。
 ある分野の黎明期に起こるいくつもの断片的で劇的なストーリーは、
ゲーム音楽のくくりを飛び出して、他者の心を打つ可能性があると考えます。
(と、プロジェクトXの波及性をみて思いました。)

2. メディアミックスできる
 ストーリー仕立てであると、
 漫画化、アニメ化、ないしドキュメンタリー化、ドラマ化できる可能性があります。
ビジュアルに訴えることで間口がひろがるのはもちろんですが、
音楽を語る以上、どのように楽曲そのものへアクセスしてもらうかを
考えねばなりません。
 もし、映像や音声が伴えば、ゲーム音楽を流すことができるのはもちろん、
 ゲーム音楽とは切っては切れないゲーム画面も、いっしょに添えられる。

3. 網羅的な大書は別個で成立しうる
 ゲーム音楽は、これまでの歴史で多くのファン層を獲得してきました。
彼ら(僕も)にとっては、なるべく仔細なところまで、後世に語り継ぎたい欲求があります。
 今回の「ゲーム音楽史」への反応(沢山の指摘やフィードバック)
が生まれたことを考えると、
細かな事項をも網羅した正史は、集合知でいずれ成立すると推測します。
 妥当だと認められる正史ができ、厳密さをそちらで確保できれば、
ゲーム音楽の辿ったストーリーは、NHK大河ドラマのように受容されるはずです。
それはゲーム音楽ファンにとっても、大いなる楽しみになるのではないでしょうか。


■7
以上の通り
ゲーム音楽の入門書は、ストーリーの力を借りられるのではないか
という仮説を立ててみました。
僕自身、そのストーリーを読んでみたいということです。

なんとなく面白そうですが、
肝心なのは、この記述方法を達成することは可能か、というところです。
できるんでしょうか…。

各人へのインタビューを通じ、本人から得た事実を
ストーリーの形に置き換える作業、
歴史年表でなく、歴史小説にするという困難な仕事があります。

驚くべきことに、今回取り上げた『複雑系』は、それが極めて巧みになされています。
ストーリーテリングで複雑系の成立をがっつりと大づかみにできつつ、
読んでいて、頭が沸騰するような面白さに満ちているのですよね。

ストーリー型入門書の好例として、『複雑系』は是非一読をおすすめします。
こんな風に暑苦しく語れるならば。


■8
おわりに。

僕はゲーム音楽について詳しくないので、結局のところ僕自身は書けず、
単なる与太話でごめんなさい。
ゲーム音楽はもっと聴かれるべき、というのは共通ゴールだろうと思うので、
これを機会に議論がすすむといいなと思います。

「ゲーム音楽史」が提示したことがとても興味深かったので、
気付いたら一本余分に日記を書いてしまいました。
こういう、別解を考えるのって楽しいです。

7 件のコメント:

  1. 今日の昼頃にこのブログを見つけて過去の音楽記事を楽しく読ませてもらいました。
    渋谷系、ソフトロック、渋谷系アニソン/ゲーソン等、好みの音楽が僕と被る物が多く、知らない曲を知れて参考になりました。(インスト音楽は僕はテクノくらいしか聴かないですけど)

    僕は楽器が弾けないしコードとか音楽用語も全くわからないので感覚で聴いて(自分にとって)良い悪いを判断しているのですが、ここまで理論的に曲を解析している記事は今までに読んだことがなかったので、コードのことなど理解できないなりにとても面白く読めました。

    それと、ネット時代以前は、CDに記載されている作曲者やプロデューサーなどのクレジットを見たり雑誌などで良い音楽を探すしかなかったから感覚よりも知識で音楽を探していましたが、元々歌詞カードをあまり見ないってのと、ここ数年は動画サイトなどで全く情報のない音楽を聴いたりしてるうちに、知識よりもかなり感覚優先で音楽を聴くようになりました。

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  2. kakuさんこんにちは。過去記事読んでいただいてありがとうございます。

    曲の解説などで興味を持っていただいたようで、嬉しく思います。
    僕は作曲がしてみたかったので理論的なところを少し覚えたのですが、やっぱり音楽は聴くも作るも感覚だけと思います。コードや作曲技法が似ていても、あるひとが使うと魔法のように素晴らしい音がするんですよね。説明がつきません。
    理論が少しわかって、逆に「感覚ってスゴイ」と気付かされました。

    ネットの普及で探し方が変わった、というのはとても共感できます。
    一時期、タワーレコードのNapsterという聴き放題サービスを利用していたのですが、
    CD買う前の下調べもなく、自分の好みだけで知らない世界を探検できるというのはこうも楽しいものかと思いました。そこでLampやHigh Llamasといった大好きな音楽も知れたし、いいことづくめです。

    感覚優先は、好き優先ですよね。 
    最近は正直に「この曲大好き!」と書いてしまいます。素直になりました。

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  3. アニメに興味のなかった人間が5、6年前からアニソンばかり聴いてるんですけど、おすすめ曲のリンクを載せておきますので時間がある時にでも聴いてみてください。
    ボサノヴァ・ソフトロック・ネオアコ っぽい曲を選んでみました。
    (こういうのを紹介しているブログやってます。最近はアレですが)

    おんなじきもち 草野ソロver.
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm15490392

    ご機嫌いかが?
    https://www.youtube.com/watch?v=kzskQ1ukhuI

    Raison D'etre(オリジナル)
    https://www.youtube.com/watch?v=xp8zccVyfb8
    Raison d'etre(カバー)
    https://www.youtube.com/watch?v=ZIEvxtLukWc

    Happy-go-lucky
    https://www.youtube.com/watch?v=d4YZnqUz3v0

    blanc et noir
    https://www.youtube.com/watch?v=fVBnP5EVjys

    花笑みとかすみ草
    https://www.youtube.com/watch?v=M1orAbtE3Fw

    トキメキ座流星群☆
    https://www.youtube.com/watch?v=PXWf4SplxbU

    Winter Bells♪合唱バージョン
    https://www.youtube.com/watch?v=uTWltc-anaQ

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  4. ご紹介ありがとうございます。大変嬉しいです。
    あとで見返すため作曲者名をメモして感想を書きました。

    おんなじきもち(神前暁):こんなバージョンがあるなんて知らなかったです。
    0:16-はジョビンの「Wave」のパロディかなと思いました。面白いです。
    神前・花澤ペアはどの曲も安定感ありますね。

    ご機嫌いかが?(前嶋康明):こういう曲調は大好きです。
    どう聴いてもベテラン、という感じの盤石な編曲です。とくに弦の合いの手。

    Raison D'etre(永井ルイ)
    オリジナル:Queenな感じのギターがカッコイイ。
    カバー:間奏で、スティービーワンダーの「Isn't she lovely」のパロディがありますね!
    編曲がずいぶん違って面白いです。

    Happy-go-lucky(高浪敬太郎):冒頭20秒がずっとおなじコードですね。大胆です。
    田中理恵さんのアルバムってベテラン作曲陣ばかりなんでしょうか。CD聴いてみます。
    この曲、2:05-の「夢中で走ってー」のところでテンポも走っているように聴こえます。

    blanc et noir (窪田ミナ):窪田さんって超作曲上手いと思います。尊敬しています。
    音程がゆれるボーカルも大好きで、サビの全然ハモれてない感じが素晴らしい。
    というところで、こちらの曲が最も好みです。 うーんいい曲。

    花笑みとかすみ草(金井江右):ギターメインのシンプルな曲調のなかで、サビ前の「もっとー」
    がいいアクセントになってますね。

    トキメキ座流星群☆ (rino):ボーカルの伊藤さん、音程が取りきれてなくて好みでした。
    上手く歌える人はある程度似てきますが、上手く歌えない人は皆さん独特で魅力あると思います。
    ピッチのブレを武器にできているというか。

    Winter Bells♪合唱バージョン(おおくまけんいち):サビのディンドンダンドンいいですね。
    合いの手・コーラスは作曲者のアイデアが光ります。



    kakuさんのページ拝見しました。名前クリックでリンク飛べるんですね!当ブログ仕様を知らなかったです)
    ページを見た瞬間に気づきましたが、実は、既に何度も伺っております!
    はじめてはOster Projectの紹介記事だったかと思います。

    ご紹介頂いた曲はすべて初めて聴いたものばかりでした。
    アニソン周りはあまり詳しくないので、今後kakuさんのブログを頼って探らせていただきたく思います。
    よろしくお願いします。

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  5. hisashi ohsawa2014/07/31 23:13:00

    はじめまして、記事を面白く読ませていただきました。

    紙媒体にこだわらず、リンク付きのpdf、あるいはwikiの手法を用いて網羅的に構築、
    および音源サンプルを付随できるwiki式の電子書籍という媒体がゲーム音楽入門書には適当ではないかと思いました。

    ファミコンのチップ音源、FM音源、PCM音源、これらは波形だけ見せられても日常的に聴く音ではないのでイメージが湧きませんし、
    ノコギリ波や矩形波の周期による印象の違いもわかりません。
    (これらがコナミサウンドやナムコサウンドの特徴になっていたとしても
    視覚ではどうにも判断できない。電子音を言葉で表現するには限界があると感じる)
    それらが工夫されてどのようなサウンドになっていったかの経緯を知ることが
    ゲーム音楽の歴史の体感することの一つであるとするならば、
    サンプル音源は必要でしょう。

    wikipedhiaのゲーム音楽に対象を絞ったバージョンという具合が理想だと思います。
    この形式であれば入門者でも自分がなんとなく知っている項目から
    枝葉を伸ばして知識を増やしていけますし、
    クリックして他の項目へ行き、音を聴くという行為はゲームの模倣でもあります。
    (ボタンを押し、そのアクションを享受すること)

    高々30~40年の間に膨大な情報量を有したゲーム音楽の世界を体系的に語るのはかなり無理があると思うので、
    項目別にスタンドアローンの解説を書き、キーワードの集積からネット的に全体像を把握する形態をとるのが楽でわかりやすいと思います。
    執筆者が複数いても構成で困ることがあまりありません。
    記述の整合性、矛盾がないかをチェックするのも書籍としてまとめるより楽でしょう。


    またPCでの閲覧になるとすれば、著作権の関係上掲載不可能な楽曲も、
    youtubeへのコピペで一瞬で視聴可能です。(本を片手に入力するのはしんどい)


    それら項目を年代別・ハード別にソートした表を作っておけば、
    任天堂ハードを追って行ったり、セガハードを追って行ったり、
    パソコン関係を追っていったり、
    つまり、同年代のしかし自分とは違うハードを追っていった人の、
    あるいは自分とは違う世代のゲーム音楽史を体験したり、
    自分が辿ってきた音楽史を辿ったりして遊ぶこともできます。
    (ゲーム音楽史が経験をベースとして個人主観の差がでるものとして)
    ゲーム音楽体験は十人十色であるということが
    (それ故に誰かが体系的に語ろうとすることに無理が生じる)
    逆に面白くなると思います。

    自分は王道ハード人生でしたが、同級の友人はいわゆる負けハード人生でした。
    そのせいかゲーム音楽の好き嫌いやサウンドの趣味にやや差が生じています。
    その差がなぜ生じるのかを追体験を伴って実証できるのは面白いと思います。

    ゲームがカートリッジやCD媒体を離れ、ダウンロードやクラウドサービスになっていくであろう時代の変遷に沿って、紙媒体から電子媒体になっていく流れに乗るのもまたゲーム関係の本(?)として似合っているようにも感じます。

    以上のような感想を抱きました。
    長文失礼いたしました。

    返信削除
  6. hisashi ohsawaさん、コメント誠にありがとうございます。
    素晴らしいご意見だったので、返信が長文となってしまいました。

    wikipedia化というアイデア、「網羅性」と「間口の広さ」を両立しうる最適なアイデアと感じます。
    音源へ容易にアクセスできる、というのがゲーム音楽を語る上で第一条件だというところに
    僕も同意します。
    僕も先の記事で「ゲーム音楽史」のyoutubeリストを起こしたのですが、
    それはまさしく音源にアクセスしなければ始まらない、と強く感じたからでした。

    また、波形を見るだけでは音はイメージ出来ない、というのもそのとおりだと思います。
    百聞は一見に如かずとはまさにこのことで、
    例えば最近活躍されているNES BANDさんの実機ファミコン演奏などを一度見れば、
    三角波矩形波ノイズの音色の違い・役割分担を直感的に味わえますね。
    https://www.youtube.com/watch?v=HNs7BVn_bOk



    wikipedia方式は、僕の体感的にも大変便利だなと思うところしきりです。
    最近は太鼓の達人wikiを使って曲名検索し、
    同じ作曲者の作品をまとめて聴くということをしております。
    こういうリストがあれば、アクセスコストが大幅に削減されますね。



    もしwikipedia方式で実現するとして、一点考えたい点があります。
    wikipedia方式で、歴史を語るのは可能か?というところです。

    wikipedia方式は、相互に連携したリンクの束には強いですが
    歴史のように方向性をもった情報や、分岐情報を表現しにくいのでは? と考えました。

    歴史には縦(時系列)と横(同時代の分岐並列)があると思うのですが、
    wikipediaの場合、
    ・順行・逆行にリンクの区別(重み付け)がない
    ・縦方向と横方向でリンクの区別がない
    というところがあり、
    自分がいまどこにいて、順逆縦横どちらに進んでいるのか分かりにくいのでは
    と思い至りました。

    僕は、ohsawaさんが考える
    >つまり、同年代のしかし自分とは違うハードを追っていった人の、
    >あるいは自分とは違う世代のゲーム音楽史を体験したり、
    >自分が辿ってきた音楽史を辿ったりして遊ぶこともできます。

    というアイデアがとても興味深く、ぜひこのような追体験ができるデータベースが欲しい!と感じました。
    そのためには、方向性を持ち、分岐を持ち、
    流れに乗って情報を体験できる適切なデータベース構造が必要だろうと考えました。



    以下は雑感なのですが
    ohsawaさんのご意見である
    >クリックして他の項目へ行き、音を聴くという行為はゲームの模倣
    という考えを踏襲しまして、
    いっそゲーム的なデータベース構造にするのも面白いと思いました。

    たとえば下記のようなシステムです。

    ■wikipediaをベースに
     ①系統樹モード 縦移動
     ②分類モード 横移動
    の二通りを切り替えられる。

    ■①系統樹モード 縦移動
     アドベンチャーゲームのような系統樹(ルートマップ=世界線)を表示し、
    文書中のリンクを選択することで、系統樹を一方向にたどっていく。
    途中にあらわれる分岐点を選択するとルートが切り替わっていく。

     系統樹は、ジャンル、メーカー、ハード、作曲者など、様々な観点でまとめる。
    例えば、あるメーカーのゲーム音楽系統樹を見ていて、
    このハードきになる→ハード系統樹に切り替え
    といったように、違う観点での歴史に移行できる。

    ■②分類モード
     同時代の(もしくは通年的な)情報を表示し、横方向に分類を確認する。
    その当時に発表された楽曲の一覧表示を基本として、
     音色ごと・ハードごとなど、カテゴリ分けされた情報を得る事ができる。
     wikipediaのような体系。


    こういった感じで、縦横に走査していくデータベース構造ができれば、
    「ゲーム音楽史」を表現するのに楽しそう!と思いました。

    ご意見まことにありがとうございました。

    返信削除
  7. hisashi ohsawa2014/08/02 3:50:00

    ゲームをプレイしていくように歴史が体感できる機能のある
    データベースシステムはお金がかかりそうではありますが、
    ゲーム関連の品物としてはうってつけですね。面白そうです。

    お返事ありがとうございました。
    楽しく読ませていただきました。

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