2017/12/16

休日に聴くポップ・ミュージック13(クール!)

オシャレでかっこいい曲を聴きます。
(内容はいつもと一緒です)

1. Phony Ppl - Somehow.
2. Hermeto Pascoal & Grupo - Som da Aura
3. Hermeto Pascoal & Big Band - Jegue e Meu Jumento Mimoso
4. 萩原雪歩、三浦あずさ - LEMONADE
5. モダーン今夜 - RED
6. Lamp - A都市の秋
7. Carlos Aguirre Trio - Voces de otra vida y otro lugar
8. 鹿乃 - Linaria Girl (17/12/20 ちょっと追記)
9. Sivuca - Um tom pra Jobim
10. Louis Cole & Genevieve Artadi -  Dance Of Doom


■1. Phony Ppl - Somehow.
以前の記事 で知った素敵バンド。フォニー・ピープルと読むみたいです。
0:09- ポップで良いメロディー。良い歌声。うっとりします。
1:30- 泣きのストリングスも素敵。
1:40- セブンスコードの連続が胸キュンです。
2:06- コーラスが重なりつつ、同じフレーズを反復します。
Phony Pplはやっぱり、曲全体のバランス・盛り上げがとても好き。

・過去記事
 YouTubeで探す、知らなかった良作ポップス20曲

以下、続きます。

■2.Hermeto Pascoal & Grupo - Som da Aura

エルメート・パスコアールの得意技です。かっこいい。
人間のしゃべり声からメロディーが作れたとして、
それに美しく和音付けできるのが凄すぎますよね。

この技法の元祖ってどなたなのでしょうか。
古い例だとスティーブ・ライヒ「Different Trains」とか、
パスコアール「Três coisas」とかが思い浮かびます。
日本でも、最近「台詞イントネーション作曲」というジャンルがあります。
大好きなので、流行ったらめちゃ嬉しいです。

作法としては、パスコアールのように
声 → 単音で音取り →和音付け
という順番で展開するので、パスコアールを踏襲しているのかもしれないですね。


■3. Hermeto Pascoal & Big Band - Jegue e Meu Jumento Mimoso

エルメート・パスコアールの新譜その2です。ビッグバンド作品。嬉しい。
御年81歳で素晴らしい作品を生み出し続ける姿勢に感銘を受けます。

1:03- の可愛いタイム。笑っちゃいます。
1:25- 聞き覚えのある7拍子のイントロ!
      この曲「Taynara」ですね! めちゃアレンジカッコ良くなってます。
3:21- ソロの合間にダンスタイム
6:32- パスコアールタイム
7:32- イントロに戻る瞬間。この曲で一番感動するところ。
8:48- 可愛いタイム2
10:36- いつの間にか拍手に変わるなんて。素晴らしいです……。

今年は、年始の来日ライブも行けたので、
一年通してパスコアールの魅力が堪能できました。嬉しい。

・過去記事
エルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)の楽しい曲想


■4. 萩原雪歩、三浦あずさ - LEMONADE

作詞作曲はKIRINJI・堀込高樹さん。待望のナムコ仕事です!
「塊魂」でなく、「アイドルマスター」なところがめちゃ良いですね。
歌詞のひねりもあって、2人が魅力的に見えます。敏腕プロデューサーです。

堀込高樹さんの和音、正直聴きとれないのですが、
サビはなんとなくこんな感じでしょうか。

key:A
レモネード       (レモネード)
| IIm9              |  IIm11        |

レモネード     
| VI9/#I           |  VI7sus4(b13)/#I      VI7/#I   |

*
これメロウで     イエローで         つめ          たい
   | IV△9       Iadd9/III        | IV△7/V    IV/V       |

*
サワー
|  I7/bVII       |

テンション積む、転回する、強進行少なめ、といった組み合わせで
浮遊感たっぷりの進行になっています。着地せずに飛び続ける感じ。

普通に考えると、この進行では振り幅が少なく見えて
求心的なサビにならない気がするのですが、
実際にアレンジをつけて並べられると、めちゃめちゃ説得力があってグッときます。

b13の解決とか、IV/Vとか、
さりげなく使われる強い響きがあれば、サビを為すに足りているのだと思います。
ポップスの先を作る姿勢、素晴らしいです。

歌詞も耳に残る残る……ので、歌詞カード楽しみです。


・過去記事
 バンダイナムコのおしゃれで素敵なボーカル名曲集



■5. モダーン今夜 - RED

モダーン今夜のカッコイイ1曲です。
永山マキさんの絵本のような歌詞に、タムさんの縦横無尽なアレンジ。
2:40の間奏がとても好きです。かっこよすぎてびりびり痺れます。

めちゃめちゃ複雑に組まれているはずなのに、
子供心くすぐる歌詞やメロディーで、自然で温かく聴こえます。
作曲が極まった結果、こういうのんびりした世界に到達できるのは
ほんとに素晴らしいです。

永山マキさんが書くこちらの歌詞。
「RED」というテーマ設定が素晴らしいのと、
体赤く染めて → 心青く染めて → 紫に染まるこの空を見上げた
といった呼応が美しいです。
(作詞は、永山マキさん、真部脩一さん、柏森進さんが好きです)



■6. Lamp - A都市の秋

作曲は染谷太陽さん。編曲は北園みなみさん。
Lampで一番カッコイイ曲。この曲がいちばん海外人気があるみたいです。
いつも思うのですが、
3:14-  あるーふぁーとーし \テーテッテーン/    がめちゃツボです。
タイトルバックがばーんと出るのは素敵。

https://natalie.mu/music/news/261196
来年、Lampの新譜『彼女の時計』が出ますね。嬉しい!

4月にアナログ盤が出て、CDはその後の発売らしいです。
Lampの作品は一生聴ける音楽なので、どれだけでも待てちゃいます。



昔、Lampとモダーン今夜は、
Motel Bleu というインディーズレーベルのレーベルメイトだったんですよね。
こんな2組を要するMotel Bleuって、どれだけ凄かったんだろうと思います。


■7. Carlos Aguirre Trio - Voces de otra vida y otro lugar
12/17にカルロス・アギーレの新譜が出ます。嬉しい!
この新曲、僕のいちばん好きな「Maripossa Leve」の続編みたいな雰囲気もあって
大好きになりました。

0:29- おなじみのポリリズム(4拍3連)が聴こえてきて嬉しい。
カルロスアギーレのマイナー調、美しいです。
2:17- ここから5:23まで、長い長い弦と歌のユニゾンです。綺麗。
5:23- ブラスソロ。トロンボーンっぽいのに動き早くて楽しいです。
  (youtubeコメント見るとサンプリング音源鍵盤弾きとかでしょうか?)
6:57- ドラム(パーカス)の静かな見せ場。
8:11- 大好き。

この方の音楽、独特で他に比べられるものが無いです。

・過去記事
 カルロス・アギーレ(Carlos Aguirre) の音楽はジャンルを超えて


■8. 鹿乃 - Linaria Girl

作曲は田中秀和さん。
試聴はサビの1フレーズだけですが、めちゃツボです。鹿乃さんの声と合う。
同じ感想の方おられるかもしれませんが、OSTERさんっぽい感じありますね!

ブラジルなリズムに、サビ頭の一小節の付け足しがとてもかわいい曲。
この曲、たぶん大好きです。発売楽しみ。

田中さんの曲を聴いて魅力的だなと思うのは、
どんなに入り組んだメロディーでも綺麗にハモリがついている、というところです。
あらゆるコード上で、メロディーでもギターフレーズでも合いの手でも、
綺麗なハモリを添えられる感性に、いつも惚れ惚れしてしまいます。
ハモリオバケです。

聴いていると、ハモリパートだけで旋律として成り立つくらいに綺麗なので、
いつもハモリの方を口ずさみたくなります。

(追記 17/12/20)
フル版聴いたのですが、好きで好きでうるっときます……。
なんて素晴らしい曲なんだろう。
「これは自分のための曲」と聴き手が錯覚してしまうくらいに
私的で気持ちいい手触りの曲です。これから宝物のように聴きたいと思います。
歌詞も甘々で素敵。

MPBのような入り組んだ音世界の中に、Lampとはまた違った方法で
とびきりのキュートさを持ち込めるなんて。本当に驚きです。
「ワタシ*ドリ」と並んで特別扱いしてしまいます。好き。


■9. Sivuca - Um tom pra Jobim

ブラジル音楽で「ショーロ」というジャンルがあります。この曲の感じ。
パスコアールとかニャターリのショーロ曲を聴いて好きになりました。

ボサノバよりも古いジャンルです。
ボサノバが大人っぽいのに対して、ショーロは無邪気で可愛いですよね。
可愛いショーロの方が好きかも。

この曲はブラジルのアコーディオン奏者シヴーカの曲です。
めちゃ素敵です。細かい音符をいっぱい敷き詰めた甘々な旋律。
部分転調してみたり、ちょっぴりホールトーン気味に外してみたり。
ポップスのコードワークと完璧におんなじです。
2:33のギターパートもいい!


■10. Louis Cole & Genevieve Artadi -  Dance Of Doom

KNOWERのお二人の、KNOWER名義でない曲です。
ルイス・コールのラップ! 彼の声ツボです。

いつもの音作りとはちょっぴり変えてありますが、
0:30-の裏で鳴っているシンセがめちゃKNOWERです。
2:04-はさらにKNOWERがはみ出ていますね。

こんな曲調で、最後に3:07- 美しいコーラスがあるのも素敵。
なんでこういうの書けるのでしょう。うっとりします。


2 件のコメント:

  1. いつも記事を楽しみにしています。
    MONACAの田中秀和さんの作る曲がすごく好きです。
    鹿乃さんの田中さんが作った曲最高ですよね。
    試聴の時点で絶対良い曲だと思ってましたが、やはりFULL最高でした!震えてしまいました(笑)
    自分は花守ゆみりさんが歌ったなるまるまーるを思い出しました。サンバ感が似てるんですかね?
    あと、最近だと田中さんはMIa Reginaさんにも提供していますよね。そちらもかなり良いと思いますが、どう思いますか?

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  2. こんにちは。お読みいただいてありがとうございます。day by dayに続いて鹿乃さんのやわらかい声にピッタリですね。
    僕も、なるまるまーるに続いてサンバとかブラジル感たっぷりだと思いました。
    ふつうポップスだと「ボサノバ風」くらいでお茶を濁すのですが、田中さんバンドは、真面目にブラジルのポップスに取り組んでいてたまらないです。

    Ms.Rからの新着メールも大好きです。皆さん同じ感想だと思いますが、V字上昇Victoryをはるかに超えるバンアパ愛を感じました。
    Mia REGINAさんの歌の上手さを信頼しているおかげか、多声コーラスが複雑で楽しいです。
    コーラスに加えて、サビの右chのギター(対旋律)が抜群に良いところをなぞってるんですよね。ハモリだけじゃなくて対旋律オバケです。
    この曲は2:39-落ちサビがいちばん好きです。ギターもベースも綺麗。

    田中さんのアルバム提供曲・B面曲って、田中さんの趣味成分がプラスに作用していてメチャツボです。

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