という本に、
漫画家の黒田硫黄さんが挿絵/インタビューで参加されています。
黒田硫黄、略歴を語る、といったようなインタビューのなかで
彼が最後にぽろっとこぼした一言が心に残りました。
名言とかそういうものではなく、
飾り気のない本音として。
下記引用します。
(他人の評価についてどう思うか訊かれて)
黒田: たしかにほかの漫画と似てないっていうのはあるかもしれません。
だから、なにか人と違ってればかじりついていられるっていうか、投稿作も漫画らしい漫画、売れそうな漫画じゃなくて、よくわからない漫画だったんです。それは今でもそうなんですけど。
これをこうやってこうすれば儲かるよっていうことをすべてわかっててやってるひともいないでしょうが、わからないからやってる。
まだ面白いかどうかわからないものがきっと面白いはずだ、とは思います。
でもわからないでやってるから、不安はいつもあります。
ただなるべく、人からどう思われるかっていうのを考えるのは、本当に徒労だからそういうことは考えないほうがいいなって思ってます。
あと、ほかの人じゃできないことをやる人は値打ちがあるから、みんなでそういう人を助けてあげなくちゃいけないなって思うんですけど……。
なんかぼんやりしてますけど。
「Like a KIRIGIRISU」 伊藤氏貴 p.62-63、()内、改行は筆者追記
最後のところ、他者を助けてあげたいな、と話の飛躍があって
ここが僕は好きです。
未知の面白さを探求することに対し、彼は深い敬意を払っていて、
そこにはもう自他の別がないのだと思います。
*
同じようなことを僕も感じます。
未知の面白さに対する敬意が、創作に関わる原動力になるということ。
ものづくりするのも、他者の作品を鑑賞するのも。
面白いかどうかもわからないものを真剣に作るという行為に感動します。
そういう人に対しては、とにかく諸手を挙げて褒めてあげたいし、
できれば自分もそういう人でありたいと思います。
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