2012/06/10

メタタイポグラフィ作品:仮名の輪郭

仮名の輪郭


■目的
・日本語フォントの「あ」~「ん」を全部足すとどんな字になるんだろう。
・原稿用紙の空白マスには、どんな文字が入る可能性があるんだろう。

そんな疑問を確かめてみました。






■方法
・Photoshop上で文字を起こし、「あ」~「ん」をレイヤーで重ね、乗算する。
・.白黒コントラストを強調する。

これにより「各点の存在確率の濃いところ」を新しい文字として表します。
仮名ってだいたいこんな雰囲気、という輪郭が浮かび上がるはずです。


■結果
「ひらがな」「カタカナ」を一文字で表すと、

  MS明朝 600pt ひらがな
MS明朝 600pt カタカナ







■考察
かっこいい。書のような風合いが出ている。
  初めて見るけど、以前から良く知っていた感じがする。

・ひらがなは「」を内包しており、中央に空きがある。
 これは「中央を神様の座として開けておく」という日本の美意識の表れかも。

・カタカナは横線二本、縦線一本で直角に交わる。非常に簡潔。
 また、右側でも斜め線が直行しており、「×」を内包している。面白い対比。

・原稿用紙の空白マスには、こいつが隠れているんだと思うと
 なかなか感慨深い。
 「漢字」は、どんな形なんだろう。


■付記
その他のフォントの「ひらがな」「カタカナ」

MSゴシック 600pt ひらがな 
MSゴシック 600pt カタカナ



小塚明朝 600pt ひらがな
小塚明朝 600pt カタカナ



・微妙な風合いを持ちつつ、同じ文字を表現しているようだ。
 不思議な作品と思う。

・この文字は、人間には発声不能なのが寂しい。
 50音をひとつずつ録音して、同時に重ねれば作ることはできるかもしれない。

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