以下、長々と音楽の勉強です。
独学なので、間違いがいっぱいあるかと思います。
■Simon & Garfunkel - Old Friends
移動ドだと、「ミー、シー」ですね。
耳に残るメロディーです。
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この曲を聴いて思い出したのですが、
モーリス・ラヴェルのオペラ「子供と魔法」にも、「ミー、シー」が登場します。
このオペラは、登場人物ごとにテーマ曲=モチーフ が用意されているのですが、
このうち「ママのモチーフ」は、Old Friendsと同じメロディーを持っています。
聴いてみましょう。
■ Maurice Ravel - 「子供と魔法」より
宿題を全然やってない「僕」を、偵察しに来たママ。
「ぜんぜん進んでないじゃないの!」と怒り出す。
特徴的な「ミー、シー」の繰り返しが、「ママのモチーフ」です。
先ほどの「Old Friends」といっしょですね。
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この作品では、同じフレーズが繰り返し登場します。
引き続き、オペラ終盤の「ママのモチーフ」を聴いてみましょう。
■ Maurice Ravel - 「子供と魔法」より
ママとの喧嘩でイライラした僕は、庭の動物たちに八つ当たりして、いたずらをする。
怒った動物との乱闘騒ぎに巻き込まれ、僕はフラフラになってしまう。
0:00- 僕は、ママのいない孤独を感じ、おもわず「ママ!」と叫ぶ。
これを皮切りに、動物たちの大暴れがはじまる。
2:20- 乱闘騒ぎで、リスがケガをした。それを見た僕は、リスを手当する。
そのうち僕は疲労で倒れこんでしまう。
動物たちは、「倒れちゃった。どうしよう、ママをよばなきゃ」と大慌て。
2:54- 動物たちが「ママ!」「ママ!」と呼びかける。
3:13- 「ママのモチーフ」再登場。
3:31- 動物たちの美しいコラール。
「彼はやさしくてかしこい子です、ママ、介抱してあげて」
5:21- ママは、倒れている僕にそっと手を差し伸べる。
5:45- 最後に僕は、「ママのモチーフ」をささやく。
めでたしめでたし。
こんなに簡単な「ミー、シー」の2音が、巧みな編曲によって千変万化の彩りをもちます。
すばらしいです。
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ここからはマニアックな話になります。
「ミー、シー」というメロディーに、
どんなコードをつければオシャレに聴こえるか、上記を元に考えてみます。
紹介した2曲は、「ミー、シー」というメロディーは共通しているんですが。
実はコードの付け方が違うんです。
ざっくりと聴きとって、意図を読み取りましょう。
■Old Friends
・ IV△7 → I△7 (ミ(7th)→シ(7th))
→「アーメン終止」という手法。進行感が薄く、柔らかいイメージになる。
サティの「ジムノペディ第1番」と同じ使い方。
■子供と魔法 ママのモチーフ
・ IIm(9) → V (ミ(9th)→シ(3rd))
→ツーファイブで止め、I に進まない使い方。
たゆたう感じ、浮遊感が出る、次の展開に期待させる、といったイメージ。
フランスっぽい。
■子供と魔法 ママのモチーフ(最後)
・ V7(13) → I△7 (ミ(13th)→シ(7th))
→ドミナントモーションとテンションを組み合わせた強力な進行。
13thの鮮烈な音が、感動的なオチにピッタリ。
※この7thとか13thというのは、ミ、シの役割を表す数字です。
和音の中の、どの音を担当するか、を表しています。
I△7 ド・ミ・ソ・シ だったら、ドを1st、ミを3rd、ソを5th、シを7th といいます。
IIIm7 ミ・ソ・シ・レ だったら、ミが1st、シが5th。
IV△7(9,11) ファ・ラ・ド・ミ・ソ・シ だったら、ミが7th、シが11th。
コードが変われば、ミの呼び名、シの呼び名が変わる、というのがわかります。
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さて、「Old Friends」、「子供と魔法」の3つのコードワークには共通点があります。
それは、「ミー、シー」というメロディーが、
コードの中で、「テンション」の役目を果たしている、という点です。
テンションとは9th、11th、13thといった大きい数字のことを指します。
テンションが含まれるコードは、それだけでオシャレに聴こえます。
ということで結論をいうと、
「ミー、シー」の数字を大きくする=テンションになるようにコードを付けるのが、
オシャレの秘訣です。
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こっから応用です。
例えば、「ミー、シー」というメロディーに対して
・ I → IIIm (ミ(3rd)→シ(5th))
・ VIm → V7 (ミ(5th)→シ(3rd))
・ IIIm → VIIm7-5 (ミ(1st)→ シ(1st))
とコードをつけると、どちらの数字も小さいのであまりオシャレにきこえません。
これをうまいこと改良して、
・ I → VI7(9) (ミ(3rd)→シ(9th))
・ VIm → IV♯m7-5 (ミ(5th)→シ(11th))
・ IIIm → II♭m7-5 (ミ(1st)→シ (7th))
とコードをつけると、シの数字が大きくなった=テンションになったので ※注
オシャレ度が上がります。
とても単純なようですが、効果的です。
この考え方は、例えば渋谷系のような、キャッチーな音楽を作るにはとても有効です。
暇があれば、実例を作ってみたいところです。
※注 7thは実際にはテンションではありませんが、役割としては同じでいいかなと思ってます。
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