問題の作成方法がわかってきました。
時おり、盤面がきれいな流れを生む瞬間があって、なかなか良いです。
*
ふと思ったのですが、
パズル的なゲームデザインには、主に2つの方法があるのではないでしょうか。
「帰納法」と「演繹法」。
とりあえずメモしてみます。
↓
*
■1. 帰納法と演繹法
2つのゲームデザイン方法について考えます。
① 帰納法
プレイヤーを10回たのしませるために、10個の異なるしくみを用意するデザイン。
イベント、素材をひとつひとつ手作りする。
たとえば脱出ゲーム、箱庭ゲーム。
原則:
帰納法のゲームデザインにおいては、
作者が神さまである。
→作者の思い通りに世界がコントロールされる。
作ったとおりにしか動かない。
② 演繹法
プレイヤーを10回たのしませるために、1個の共通するしくみを流用するデザイン。
イベントの初期配置や、ランダムのシード値のみ変化させる。
たとえばペンシルパズル、落ち物。
原則:
演繹法のゲームデザインにおいては、
ルールが神さまである。
→作者の予想を超えて、1つのルールから世界が創発される。
コントロール出来ない。
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■2. 木に例えると
2つの方法の違いを理解するため、
ゲームを「木」に例えてみます。
オリジナルのゲームを作る=新種の木をつくるために、
それぞれどういった手順を踏めばよいでしょうか。
① 帰納法
「木の完成形」を頭に思い描き、
根をデザインし、幹をデザインし、枝をデザインし、葉をデザインする。
ひとつひとつをデザインする。
手を加えれば加えるほど、完成度が増してゆく。
細部にアイデアを盛り込むことで、オリジナリティを出すことができる。
ただし、全方向から見て矛盾なくデザインするのには、多大な労力を要する。
② 演繹法
新種のタネを探し出して、植える。
もしくは、既存種の交配を積み重ねて、オリジナルの形になることを願う。
立派な木が育てば成功。
もし既存種と同じものが作りたいのなら、タネさえあればコピーできる。
ただし、新種を作ろうと思うと、単純な努力だけでは成し得ない場合がある。
運と勘と、失敗の積み重ねが必要。
運と勘と、失敗の積み重ねが必要。
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余談ですが、ピアノ音源でいうと、
帰納:サンプリング音源 (Ivory)
演繹:モデリング音源 (Pianoteq)
に相当するのかもしれません。
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■3. どちらが良いのか
どちらの方法で作るのが得策でしょうか。
実際には、二者択一ではなく、
ある箇所は帰納的に、
ある箇所は演繹的に(プロシージャルな感じ)
といったように、組み合わせで成っているのだろうと思います。
制作の目的、作者の立ち位置に応じて、
こんな感じに分けられるでしょうか。
① 帰納法
明確なゴールイメージが設定されている。
とりあえず頑張れば頑張っただけ成果はでる。
採用すべき人:
・実作業に長時間がさける人。
・チームで作業できる人。
・確実に成果(売上など)を出さねばならない人。
→ ゲーム制作を仕事にしている人、企業。
ずっと作業が続いても耐えられるドMな人。
② 演繹法
制作に入る前に、出口が全く見えないほどの試行錯誤が必要。
その間、成果ゼロ。
もし偶然いいアイデアが見つかれば、後半はとても楽。
採用すべき人:
・納期が設定されていない人
・ギャンブラー
・もし成果がでなくても死なない人
・作品の寿命を後世まで残したい人。
・作品の寿命を後世まで残したい人。
→ 個人制作、ゲーム研究者
あとで楽するためなら苦労できる人。
上記から、
・確実な成果が必要な場合
・ゴールを設定し、「帰納法」でつくる。
・もしくは、既存のタネを育てて、
剪定・付け足し・接ぎ木してオリジナルっぽい形にする「演繹+帰納」など。
・趣味、ゲーム作り自体が目的の場合
ゴールを設定せず、「演繹法」の偶然に任せる。
作者の想定外が巻き起こるのを楽しむ。
納期が無いのなら、成果ゼロでも気長に失敗し続けてみる。
といった方法を取るのが良いかなと思いました。
作者の想定外が巻き起こるのを楽しむ。
納期が無いのなら、成果ゼロでも気長に失敗し続けてみる。
といった方法を取るのが良いかなと思いました。
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■4. 個人的な作法
僕自身は、主に演繹法で作っています。
こんな感じです。
① 既存のルールA, B をえらぶ
② 同時に適用して、新たなルールC とする
③ Cの成長を応援する
肝心なルールCの挙動は自分で作らず、
AとBからの創発に全て任せる、ということになります。
だいたい失敗ですが、
ごく稀に面白いルールが生まれる事があります。
ゲームを作っているというより、
あるゲームが偶然見つかって、
自分がそのゲームの最初のテストプレイヤーになる、という感じです。
*
この演繹的な作り方に、コツはあるんでしょうか。
セレンディピティを自ら養えるんでしょうか。
無理かも。
少なくとも
潜在的に優れたルールCが生成された場合に、
その良さ・深さを見誤らないように、心構えをしておくのは大切かもしれません。
****************
今日の音楽
エリカ・バドゥってめちゃ良いですね…。
ずっと聴いています。
■Erykah Badu -Turn Me Away (Get Munny)
③ Cの成長を応援する
肝心なルールCの挙動は自分で作らず、
AとBからの創発に全て任せる、ということになります。
だいたい失敗ですが、
ごく稀に面白いルールが生まれる事があります。
ゲームを作っているというより、
あるゲームが偶然見つかって、
自分がそのゲームの最初のテストプレイヤーになる、という感じです。
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この演繹的な作り方に、コツはあるんでしょうか。
セレンディピティを自ら養えるんでしょうか。
無理かも。
少なくとも
潜在的に優れたルールCが生成された場合に、
その良さ・深さを見誤らないように、心構えをしておくのは大切かもしれません。
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今日の音楽
エリカ・バドゥってめちゃ良いですね…。
ずっと聴いています。
■Erykah Badu -Turn Me Away (Get Munny)
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