M. C. エッシャー の描いた作品がとても好きです。
観ているとふわふわして頭のスイッチがカチッと切り替わる感じがする。
彼の作品は、紛れも無くゲームだと思います。
「好きなゲームは?」と訊かれたら「エッシャーの『上と下』!」 とか言ってしまいたい。
観ていて飽きないし、観るたびに新しい発見がある。
エッシャーの絵はプレイアブルです。
エッシャーの残した文章のなかで、大好きな一節があるので下記の通り引用します。
彼が、一人で黙々とタイルパターンをやっていた頃の文章です。
これを読むと、エッシャーはゲームデザインをしてたんだなあと分かります。
彼の作品は絵画芸術のメインストリームから外れているため、彼は常に苦しい境遇にあった、と言われることが多いです。
でも、創作の楽しさがいつも彼と共にあったのは間違いありません。
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"最初は自分で自分の図像を体系的に生み出せる可能性があるなどとは、まったく思ってもいませんでした。「ゲームの法則」については何ひとつ知らず、ほとんどやみくもで、小さな合同な図形がなんとかして動物の形になるように試みたものです。
このテーマに関する文献を数学には素人の私にも分かる範囲で読んだりして、次第に新しいモチーフをデザインするのが容易になってきたのです。それというのも自分流のアマチュア理論を考えだそうと、可能性をあれこれ探ったためだと思います。
新しいモチーフをデザインすることは、極度に熱中させる作業で、ほとんど中毒のような状態となり、そこから自分を引き離すのが時には困難なほどでした。
流れに乗っていない船を漕ぎ進めるのは、なんと遅いことでしょう。
しかしその価値が全ての人に受け入れられると、その後継者が仕事を続けることはなんと容易なことでしょう。
個人的な実験は、ちょうど自分自身で基礎をつくり壁を立てなければならなかった建物のように、それがぼろぼろの小屋になるまで持つ見込みがあると思いがちで、仮にそうなってからでも、他人が建てた宮殿に住むよりも、そこに住むことを選ぶものなのです。"
『無限を求めて エッシャー、自作を語る』 M.C.エッシャー著
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